ビザ・在留資格

在留資格オンライン申請の完全ガイド|利用方法・審査期間・2026年最新の注意点を解説

2022年の本格運用開始以来、日本の外国人雇用のあり方を劇的に変えた「在留資格オンライン申請」。
かつては入管の窓口で数時間待つのが当たり前だったビザ業務が、今やオフィスにいながら24時間いつでも手続き可能になりました。しかし、その利便性の裏で、システム固有のエラーやマイナンバーカードの連携、独特のアップロードルールなど、導入初期のハードルが高いと感じている担当者も少なくありません。

本記事では、オンライン申請を導入することで得られる多大な経営的メリットから、申請にかかる最新の手数料(料金)一覧、さらには「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」といった資格別の留意点まで、5,000文字を超える圧倒的な情報量で徹底解説します。
2026年現在の最新システム環境に基づき、企業の採用・人事担当者が最短ルートでオンライン化を完了させ、本来の業務に集中できる環境を整えるための完全ガイドです。法務省の最新指針を反映した、実務に即した内容をお届けします。

1. 企業が「オンライン申請」を導入すべき5つの経営的メリット

単なる「便利」というレベルを超え、企業のコンプライアンス維持やコスト削減に直結する5つのメリットを深掘りします。

① 人的・時間的コストの劇的な削減

窓口申請の場合、管轄の出入国在留管理局への移動、駐車場の確保、受付後の待ち時間を含め、担当者の1日が潰れることも珍しくありません。
オンライン申請は「待ち時間ゼロ」を実現します。これにより、人事担当者は他の戦略的な業務(採用ブランディングや定着支援など)に時間を充てることが可能になります。特に年間で数十名の採用を行う企業にとっては、年間数百時間の工数削減につながります。

② 24時間365日の「受付」がもたらす柔軟性

入管窓口の「平日の日中のみ」という制約がなくなります。深夜や休日でもシステムへデータをアップロードできるため、業務の合間や担当者のスケジュールに合わせて柔軟に対応可能です。
この時間的制約からの解放は、特に人手不足の現場において大きな助けとなります。また、システム上での「下書き保存」機能も充実しており、数日に分けて書類を準備することも可能です。

③ 郵送受取による「入管訪問回数」の最小化

オンライン申請では、許可後の新しい在留カードを書留郵便で受け取る設定が可能です。これにより、以前は「申請時」と「受取時」の最低2回必要だった入管訪問が、実質的にゼロになります。
地方拠点の外国人を本社で一括管理している企業にとっては、これだけでも数十万円単位の出張費削減につながります。また、担当者の不在リスクを軽減できるのも大きな利点です。

④ 申請進捗のリアルタイム可視化

マイページにログインすれば、全従業員の申請状況がひと目で分かります。「審査中」「資料照会中」「許可」「不許可」といったステータスがリアルタイムで更新されるため、入管に電話で問い合わせる手間がなくなり、情報の属人化も防げます。
過去の申請履歴もアーカイブされるため、次回の更新時の参考資料としても活用できます。

⑤ クレジットカード・電子納付による経理の効率化

手数料の支払いに収入印紙が不要です。クレジットカード決済やPay-easyを利用した電子納付が可能なため、小口現金の管理や印紙の購入・貼付・管理といったバックオフィス側の事務負担も軽減されます。
領収書(納付証明)もシステムから出力できるため、社内の経費精算フローもスムーズになります。

2. 【2026年最新】在留諸申請の手数料(国に支払う料金)一覧表

オンライン申請であっても、手数料の額は窓口申請と同一です。ただし、不許可となった場合には手数料は発生しません(手数料は「許可されたこと」に対して支払う性質のものです)。

申請の種類 手数料(料金) 対象となる主なケース
在留資格認定証明書(COE)交付申請 無料 海外からの新規呼び寄せ時
在留期間更新許可申請 5,500円 現在のビザの期限を延ばす場合
在留資格変更許可申請 5,500円 留学生の新卒採用、転職後の資格切り替えなど
永住許可申請 10,000円 長期間の居住・貢献による永住権取得
再入国許可申請(1回限り) 3,500円 一時帰国前に取得(みなし再入国が使えない場合)
再入国許可申請(数次) 6,500円 頻繁に海外出張・帰国を行う場合

※上記は2026年時点の標準的な料金です。電子納付を行う際は、クレジットカードまたはPay-easy(ネットバンキング)が利用可能です。
オンライン申請の場合、納付に必要な「納付番号」がメールで届きますので、許可通知後のアクションも非常にスムーズです。

3. 利用開始までの徹底準備:登録・設定の「落とし穴」を回避する

オンライン申請システムの導入において、最も多くの脱落者(挫折者)が出るのが、この事前設定段階です。
確実に突破するためのポイントをさらに詳細に解説します。

3-1. 必要なハードウェアとソフトウェアの厳格な確認

まず、個人のマイナンバーカードと、PC接続用のICカードリーダーは必須です。
2026年現在、スマホアプリでの認証も一部可能になりましたが、法人として一括申請を行う場合は、安定性の観点から「PC+カードリーダー」の組み合わせがデファクトスタンダードです。
* 推奨環境:Windows 10/11上のMicrosoft Edge または Google Chrome。Mac環境でも動作しますが、電子署名用ソフトの相性によりWindowsの方がトラブルが少ない傾向にあります。
* ブラウザ拡張機能:「公的個人認証サービス」や「在留申請オンラインシステム用」の拡張機能を事前にインストールし、有効化しておく必要があります。これが無効だと、カードを認識せずログインできません。また、Javaのバージョン更新が必要な場合もあるため、社内のIT部門と連携することをお勧めします。

3-2. 利用者登録(承認申請)における「法人の義務」

システムにログインするための「利用者ID」を取得するプロセスでは、単なる情報の入力だけでなく、企業としての「適格性」が問われます。
1. システム上で「利用者情報」を入力。この際、法人番号(13桁)の入力が必要です。
2. 担当者の「所属証明」として、健康保険証の写しや在職証明書のアップロードが求められる場合があります。
3. 入管側の承認を待つ(数日から1週間程度)。
【重要】この承認が終わらない限り、実際の申請は1件も行えません。採用が決まってから登録するのではなく、常時採用がある企業は「何も案件がない時」に登録を済ませておくのが実務上の定石です。また、3年ごとに利用者情報の更新(有効期限延長)が必要ですので、リマインダーを設定しておきましょう。

4. 在留資格別の申請留意点:技人国・特定技能・技能

オンライン申請では、在留資格ごとに必要となる「入力項目」や「添付書類」の質が異なります。主要な3つの資格について詳しく見ていきましょう。

4-1. 「技術・人文知識・国際業務(技人国)」

ホワイトカラー職種に多いこの資格では、「職務内容と学歴・職歴の関連性」が最も重要です。オンラインの入力フォームには文字数制限があるため、具体的な職務内容は別途「理由書(PDF)」として作成し、アップロードするのが基本です。特に、新規採用の際は「雇用契約書」だけでなく、「給与支払を証明する資料(決算書等)」のデータ化を忘れずに行いましょう。

4-2. 「特定技能」

特定技能は添付書類が非常に多く(数十種類に及ぶことも)、オンライン申請のメリットが最も大きい資格です。ただし、登録支援機関に委託している場合は、「委託契約書」の有効期限や、支援計画の電子署名が正しく行われているかを確認する必要があります。定期報告と連動したシステム運用が、2026年以降のスタンダードとなっています。

4-3. 「技能」

調理師などの「技能」ビザでは、「職歴証明書」の真正性が厳しくチェックされます。海外から取り寄せる原本のスキャンデータは、偽造を疑われないよう、カラーで鮮明にスキャンする必要があります。また、店舗のメニュー表や内装写真も必須となるため、スマホで撮影した写真を適切にリサイズして準備しておきましょう。

5. オンライン申請における「添付書類」の高度なテクニック

紙の申請と異なり、オンラインでは「データならではの制約」があります。ここでエラーを出さないための具体的なテクニックを紹介します。

5-1. ファイル形式とサイズ制限の完全攻略

アップロード可能な形式はPDF、JPEG、PNGなどですが、ファイルサイズ制限(1ファイル最大10MB程度)が厳格です。
* PDFの結合と最適化:複数の書類を一括PDF化し、かつ「Web用に最適化(軽量化)」処理をかけることで、高画質なままサイズを抑えることができます。Adobe Acrobatやフリーソフトを使って、解像度を150dpi〜200dpi程度に調整するのが理想的です。
* ファイル名のルール:日本語が文字化けしてエラーになるケースがあるため、「01_Resume.pdf」のように半角英数字で命名することをお勧めします。また、入管側で中身が判断しやすいよう、冒頭に番号を振ると審査がスムーズになります。

5-2. 顔写真データの「規格」に注意

オンライン申請で最も差し戻し(再提出)が多いのが顔写真です。
* 背景は無地(影がないこと)。
* 縦横比が規定(縦4:横3)に合っていること。
* 最近3ヶ月以内に撮影されていること。
自撮り写真は照明の加減で不許可になることが多いため、証明写真機のデータダウンロードサービス利用を強く推奨します。写真データのサイズも「数十KB〜数百KB」に抑える必要があります。

6. 審査期間のリアルと、リードタイムを短縮する方法

オンライン申請は「審査そのものが劇的に早い」わけではありませんが、全体のスピード感を最大化するためのポイントがあります。

6-1. 標準的な審査期間の目安(2026年傾向)

  • 在留資格認定証明書(COE):1ヶ月〜3ヶ月(繁忙期は4ヶ月近くかかることも)。
  • 在留期間更新許可:2週間〜1ヶ月。
  • 在留資格変更許可:2週間〜1ヶ月半。

これらは「申請が受理されてから」の期間です。オンラインの場合、受理されるまでの形式チェックも自動化されているため、窓口よりも「不受理(書類不足での差し戻し)」が早いのが特徴です。

6-2. 追加資料の通知(RFE)への即応

オンライン申請の最大の強みは、入管からの「追加資料の提出のお願い」がメールで届くことです。窓口申請と異なり、通知を確認したその場ですぐにアップロード可能なため、結果として1〜2週間のリードタイム短縮につながります。また、担当者が外出中でもスマホで通知を受け取れるため、社内連携も加速します。

7. 実務担当者のためのFAQ(よくある質問)

現場から寄せられる頻度の高い質問をまとめました。

Q1. オンライン申請中にパスポートが更新されました。どうすれば良いですか?
A. システム上で情報の修正が可能です。新旧両方のパスポートスキャンデータを追加資料としてアップロードしてください。
Q2. システムメンテナンスの時間はいつですか?
A. 定期メンテナンスは深夜帯に行われることが多いですが、不定期に週末に数日間停止する場合もあります。入管のホームページで1ヶ月前から告知されるため、期限ギリギリの申請は避けましょう。
Q3. 外国人本人の同意はどうやって得れば良いですか?
A. オンライン申請でも「申請等取次者」としての署名(または電子署名)が必要です。社内フローとして、電子サインツール(CloudSignやDocuSignなど)を導入し、オンライン上で同意・署名を得る形にすれば、完全なペーパーレス化が可能です。

8. まとめ:2026年の外国人雇用に「オンライン申請」は必須インフラ

在留資格オンライン申請は、もはや「あれば便利なツール」ではなく、成長する日本企業にとっての「必須インフラ」へと進化しました。
初期設定こそ手間がかかりますが、それによって得られる時間、コスト、そして精神的な余裕は、その苦労を補って余りあるものです。

今このタイミングでオンライン化に踏み切り、外国人材が安心して働ける環境をスピーディーに提供できる体制を整えましょう。適切な準備と知識があれば、ビザ業務はもっとスマートになります。社内でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、人事部からこのオンライン化を推進してみてはいかがでしょうか。

申請の際は、出入国在留管理庁のオンライン申請サイトからご利用ください。

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